人気の『十番右京』が新たなステージへ。好きな酒で、好きに過ごすスタンディングバー『右京堂』がオープン

2020年04月07日
カテゴリ
レストラン・ショップ
  • レストラン
  • 麻布十番
  • 居酒屋
  • 酒場
  • ワイン
  • 東京
人気の『十番右京』が新たなステージへ。好きな酒で、好きに過ごすスタンディングバー『右京堂』がオープン
Summary
1.『十番右京』跡地に、スタンディングバー『右京堂』がオープン!
2.自然派ワインは常時20種、ハイボールやレモンサワーまで酒類が充実
3.酒の進む小料理は約30種。支払いは“右京堂コイン”で楽々

0次会から3次会まで使い方は自由自在。好きな酒で、好きに過ごす、ワインバー

麻布十番大通りから、一本奥まった街路で賑わいをみせるバー。ここはあの『十番右京』があった場所だ。希少な日本酒を揃えつつ、絶妙なアテが人気で中でもメディアで紹介された「トリュフたまごかけご飯」で話題になった店と聞けば思い当たる人も多いだろう。その『十番右京』が徒歩数分の地に移転し、元あった場所に2019年10月、新コンセプトの『右京堂』がオープンした。

縦長の店内はすっきりとして潔いホワイト一色。5メートルほどの長テーブルが3つ一直線に並んでいる。片側の壁には店のメインともいえる自然派ワインがずらり。もう片側は全面ガラス張りで店が広く感じられる。写真(上)で見てもわかるようにイスはなく、スタンディングで楽しむのが『右京堂』のスタイルだ。

「女性や1名様でも入りやすいよう、明るくきれいな空間を意識しました。テーブルの上もスッキリさせて隣のゲストとの距離感を近くして、自然と会話が生まれるような造作を目指しました」と話すのは、『十番右京』などを手がけるオーナーの岡田右京さん。ゲスト目線の店づくりが、居心地のよさを生む。

入口前のテラスエリアを合わせれば、最大60人くらい入るとか。大人数での貸し切り立食パーティーも楽しそうだ。

テープルの上にはキャンドルだけ。すぐ下の引き出しに、メニューやカトラリー、取り皿、おしぼりまで、必要最小限のものをコンパクトに収納している。しかも、その上には電源が2つずつついているという気配り。つい時間を忘れて飲んでしまう宵、充電もできるのは嬉しいポイントだ。

グラスで楽しめる自然派ワインは常時20種。圧巻の品揃え

『右京堂』で目を引くのは棚にずらりと並んだ自然派ワイン(ヴァン ナチュール)。有名な銘柄から日本ではまだ知られていないものまで、スパークリング、白、オレンジ、赤を計20種グラスで楽しめる。ここまで自然派が揃っている店もめずらしい。オープンに当たって100種以上試飲し、厳選したラインナップで、限られた本数しか入手できないものもあり、銘柄はその都度入れ替えているそう。

▲カクテルやサワーは店内奥のカウンターで作られる。ゲストの声に応えるスタッフの近藤優さん

ドリンクはワインにとどまらず、ビールやハイボール、レモンサワーから日本酒まで揃う。ノンアルコールビールやソフトドリンクもある。気取らず、その日の気分で味わいたい。

注文はオリジナルの“右京堂コイン”で

『右京堂』のもうひとつの特徴が、その支払い方法。スタンディングという自由空間に適した方法を考慮した。

「キャッシュオンデリバリーだとお客様も大変ですし、わかりやすくしたいと考えてオリジナルのコインを作りました。1枚250円で、ドリンクや料理の料金はコインの枚数で決めています。みなさん、まずは2,000円くらい交換して楽しまれていますね」と右京さん。

「令和元年」と発行年度が刻印されたコインは、500円硬貨とほぼ同じサイズ。1枚から購入でき、残ったら次回に使うことも可能。ついつい通ってしまうポイントがここにもあった。

自然派ワインは、イタリア、南アフリカ、ドイツ、レバノンなど、さまざまな国のものがあり、その名前は読みにくいカタカナが羅列する。そこでワインにナンバリングし、注文しやすいよう工夫されている。メニューには「爽・旨・酸・濃」のカテゴリーと、特徴が簡潔に書かれていて親切。グラスワインは、1杯4〜6コイン。麻布十番という立地で、税サ込みでこのお値段はリーズナブルといえよう。

おつまみから〆まで、おひとりさまでも楽しめる小料理30種

つまみはジャンルを問わず、ズバリ「酒に合うもの」。1品2〜3コインのものが多く、おひとりさまにもちょうどよいサイズ。その日のおつまみ3種盛りや4種盛りもあって飽きずに楽しめる。

こちらはペコリーノチーズとペッパーで仕上げた「カチョエペペ」(写真上)。通常はロングパスタで作られる料理だが、同店では蝶ネクタイ型のショートパスタ、ファルファッレで応用。時間が経っても歯ごたえがよく、おつまみになる。

「僕も友人とここで飲むんですが、カチョエペペは決まって頼む一品。追加でペッパーをたっぷりかけて、よく混ぜて食べるのがオススメ」と右京さん。ペッパーが絡まったパスタは見た目の可愛さとは反し、ピリッと刺激的。爽やかな白ワインやうまみのあるオレンジワインと合わせたい。

右京さんがモスクワで訪れたカフェで出逢った料理「レッドキャビアクレープ」(写真上)を再現。ほんのり甘さを感じるクレープに乗っているのは、サワークリームと塩いくら。レッドキャビアとはいくらのことで、塩漬けはねっとりとした食感。この意外な組み合わせとおいしさに驚いたそう。たしかに、まったり濃厚で酸味のあるサワークリームと濃厚ないくら、そこをふんわりやさしい味のクレープが中和して、それぞれのマッチングがすばらしい。和風とも洋風ともとれる不思議な味。シュワっと爽快なスパークリングとぜひ。

グツグツの状態で供される「季節のアヒージョ」(写真上)。内容は月ごとに変わり、取材時は合鴨とりんご。ほどよく締まった肉に、りんごの甘みがソースのように重なってうまみが増す、さすがの組み合わせだ。ワインにも合うし、ハイボールもいい。アヒージョの具は、秋はきのこ、冬は牡蠣などさまざま。旬のうまみが凝縮されている。

〆は、刻んだトリュフをまぶしてバターで焼いた「トリュフバター焼きおにぎり」(写真上)を。仕上げにも削ったトリュフがかかり、バター醤油と相まって立ち上る香りは最高。右京さん曰く、「1コインの『鶏スープ』と合わせれば、完璧な〆に」。『十番右京』の名物「トリュフたまごかけご飯」も7コインで楽しめる。懐具合によってチョイスしよう。

最長6時間滞在の人も! 予約なしでフラッと気ままに通いたい

注文の仕方もテーブルでの過ごし方も、無駄がなくコンパクト。だからこそ、自分流に楽しめる空間になっている。0次会にアペロ気分で立ち寄ったり、宴会後の〆に訪れたりと使い方はさまざま。なかには6時間いたという強者も! 基本、予約は受け付けていないが、直前に空いているか電話して確保することは可能だ。

「テーブルは女性が肘をおくのにちょうどよい高さ、棚の下は軽く足をかけられるので、不思議と疲れにくいんです。ワイン中心ですが、ほかのお酒もいろいろ用意しています。気軽に自由に楽しんでほしい」と右京さん。気の利くこだわりが、随所に散りばめられている。

【メニュー】
カチョエペペ 5コイン(1,250円)
レッドキャビアクレープ 3コイン(750円)
季節のアヒージョ 4コイン(1,000円)
トリュフバター焼きおにぎり 2コイン(500円)
※支払いは“右京堂コイン”(1枚250円)になります
※別途、テーブルチャージ1人1コイン
※交換されたコインの払い戻しは行なえません
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です

撮影:佐々木雅久

右京堂

住所
〒106-0045 東京都港区麻布十番2-6-3
電話番号
03-3403-1101
営業時間
日〜木 15:00〜23:30、金・土 15:00〜翌4:00
定休日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/jjcfe64f0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。