『とんかつ 鴇田』(学芸大学)が超話題! ”目黒とんかつ御三家”の名物大将が作るとんかつにファン続出

とんかつ激戦区・目黒で長年愛され続けている有名店の元・大将の熟練の技が味わえる、ニューオープンの店『とんかつ 鴇田(ときた)』。揚げ物界で今最も進化が著しいとんかつ店ですが、『とんかつ 鴇田』では岩手県のSPF特選銘柄豚「岩中豚」を使用。噛むたびに脂のうまみが、口中にあふれ出ます。良質な豚肉を最高の技術で揚げたカツでしか味わえない幸福感を体験してみてください。

2021年08月04日
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『とんかつ 鴇田』(学芸大学)が超話題! ”目黒とんかつ御三家”の名物大将が作るとんかつにファン続出

目黒の人気とんかつ店の大将が独立! 自らの名を冠した『とんかつ 鴇田』をオープン

先鋭的な飲食店と古くからの商店街が共存する学芸大学駅エリアに、2021年7月1日、新たな注目店『とんかつ 鴇田(ときた)』がオープンした。

場所は東急東横線・学芸大学駅東口から徒歩1~2分のところ。東口商店街の中ほどの路地を右側に入ってすぐの場所で、古民家風の渋い外観と看板が目印だ。

中に入ると一転、モノトーンで統一されたスタイリッシュな雰囲気に驚く(写真上)。高級感のある雰囲気に少し緊張するが、壁のテレビが、昔ながらの定食店のようなホッとする雰囲気を醸し出している。

店主の鴇田 廣(ときた ひろし)さん(写真上)は、岩手県生まれの73歳。とんかつ激戦区の目黒で、“3大とんかつ店”と呼ばれていた店のひとつで25年に渡って大将として腕をふるってきた。店にかかっている額は、長年店に通い続けた常連で、友人でもある書家の高橋照弘氏の揮毫だ。

鴇田さんは大学卒業後、スポーツメーカーに就職したが、子供の頃から料理好きで、36歳で飲食の道に進んだ。

「人がやめて困っている店があったから、皿洗いや出前を手伝っているうちに、気がついたらとんかつも揚げていたんです(笑)。小さい店で人が足りないから、すぐに揚げ方も教えてくれたんですよ」と、さらりと語る鴇田さん。

メニューは、そぎ落とした定番5品

夜メニューは「メンチカツ定食」「チキンカツ定食」「ロースかつ定食」「上ヒレカツ定食」「特上ロースカツ定食」と定番のみで超シンプル。ランチメニューは「メンチカツ定食」「チキンカツ定食」「ロースかつ定食」「ヒレカツ定食」の4種類。ランチ定食の汁は味噌汁で、夜は豚汁になる(ランチもプラス100円で豚汁に変更可能)。夜メニューでは、お肉のランクがランチタイムより少し上になるとのこと。

「一番のおすすめは?」とたずねると、「うちは、全部がおすすめ!」ときっぱり。と言いつつも、「でもね、特上ロースが目当てで来てくれる人が多いんですよ」と、嬉しそうに語る鴇田さん。そこでまずは、常連一押しの特上ロースを頼む。

肉は、故郷の岩手産。それ以外はできるだけ、近隣の店を使用

豚肉は、鴇田さんの故郷・岩手県のSPF特選銘柄豚「岩中豚」を使用。チキンカツの鶏肉も岩手県産を使用している。

鴇田さんが愛用しているパン粉は、武蔵小山で70年以上続く老舗『中屋パン粉工場』謹製の「ホワイトフレッシュ」(写真上)。パン粉専用のパンの白い内側の部分のみを使用し、さらに硬い部分を手作業で取り除いているので、やわらかく繊細な食感に仕上がる。

ちなみに強力粉も地元のメーカーのものを使用。野菜は学芸大学の商店街の八百屋で買い、米も学芸大学のお米マイスターのいる米店のコシヒカリを使っている。

キャベツは、今の時季は群馬県嬬恋の高原キャベツを使用。高原キャベツが無くなる秋冬は愛知県産を使用する予定。

パン粉は、「可愛い女の子の頭をひょいひょいとなでるように」やさしく付ける

メンチカツ以外は、パン粉をできるだけ手で押さないのが鴇田さんのやり方だ。
「可愛い女の子の頭をひょいひょいとなでるみたいに付けるんです」という言葉どおり、本当にやさしくふんわりと、デリケートな手つき。パン粉を「付ける」というより、「まとわせている」という表現がぴったりだ。

調整ラードを使用した揚げ油の温度はやや高め。軽くふんわりまとわせているだけなので、入れた瞬間にパン粉が花火のように大量に散る(上の写真で揚げているのはメンチカツ)。

「こうやってはがれるパン粉がたくさんあるから、衣が軽くふんわり揚がるんです」と鴇田さん。

油の温度は高めだが、揚げる時間は意外に長めだ。温度や揚げ時間をよく聞かれるが、説明しづらいと言う。

「豚肉もその日によって違うから、何分という決まりはありません。でも、箸で触れると肉から『もうちょっと待って』『もう熱いからあげて』という声が聞こえてくるんですよ」

「パン粉を付けるのに同じ強力粉を使っていても、その日の湿度によって団子になりやすい日もある。1+1が2になるとは限らないのが、とんかつなんです」(鴇田さん)

揚げると、パン粉の上に立てて油を切る。

サクサクと軽快な音を立ててカット。その音からも肉のやわらかさがイメージできて、ワクワクする。

ファン一押しの一皿、「特上ロースかつ」

「特上ロース」(写真上)は、豚肉をやわらかに包む衣の繊細なサクサク感、香ばしさにまず感動する。

次に来るのが、やわらかな脂を噛みしめる快感。噛むたびに澄んだ脂のうまみが、口中にじゅわっとあふれる。肉汁を含んだ赤身部分の歯切れのよさがまた、気持ちいい。いいロース肉を最高の技術で揚げたカツでしか味わえない幸福感だ。

ご飯とキャベツはお代わり自由。ディナーメニューにつく豚汁はびっくりするほど具だくさん。

味噌汁のだしは、愛媛県のだしメーカーが作っている『やすまるだし』の「贅沢ローストだし」と「極上海鮮だし」(写真上・左)を使用。マグロ、カツオ、昆布、アジ、タチウオ、シイタケ、貝柱、エビなどの天然素材がふんだんに使われていて、徳島産の甘口の白みそ(同・右)のまろやかなコクを効果的に引き立てている。

噛んだ瞬間に、口の中にくどさのない清らかな肉汁がほとばしる「ヒレかつ」(写真上)。甘みのない専用のパンから作ったパン粉だからこそ、肉の甘みを邪魔せず、引き立てていることを実感する。

隠れた名品! 鴇田さん自身も大好物の「チキンカツ」

「上ロースかつ」「ヒレかつ」ともに絶品だが、もうひとつぜひ食べてみて欲しいのが、鴇田さん自身も大好物だという「チキンカツ」(写真上)。岩手県産の銘柄鶏「菜彩鶏(さいさいどり)」に食べやすく切れ目を入れ、からりと揚げている。

脂の主張はあるのに、喉にするする吸い込まれていくような軽さとやわらかさに驚く。パンチのある大粒の塩(写真上・右)が抜群に合う。頼めばレモンももらえるので、ぜひ塩、レモン、レモン塩、ソースとフルコースで味わってみて欲しい。その味わいの変化に驚くはずだ。

玉ネギの甘みがたまらない!「メンチカツ」

とろけるようなやわらかさにうっとりする「メンチカツ」(写真上)。大ぶりに切った生の玉ネギがたっぷり入っていて(写真下)、噛んだ瞬間に肉汁とともに、甘みたっぷりの玉ネギの汁があふれる。子供も大喜びしそうだし、酒の肴にもぴったり。

「無口なふりをしていましたが、本当は、話し好きなんです」

「どこに座る? カウンターに座ると、いい男が近くで眺められるよ(笑)」と、今でこそ気さくに冗談を口にする鴇田さんだが、以前はあえて、お客とはほとんど話をしなかったという。

「本当は話好きのほうなんですけど、揚げるのが忙しくて、無口な頑固おやじのふりをしていました(笑)。長年通ってくださっていたお客さんも、半分以上は私の名前までは知らないと思いますよ」(鴇田さん)。

それだけに、自らの名を冠した初の店のオープンを知って古くからの常連が訪ねて来てくれるのは、本当に嬉しいそうだ。

「私は本当に、いいお客さんに恵まれていると思います。病気と怪我で2回、引退したのですが、声をかけてくれる方がいて、またこうしていいお店で再出発させてもらえた。ありがたいことだと思っています」(鴇田さん)。

それだけ、鴇田さんの引退を惜しむファンが多かったのだろう。“頑固おやじ”の仮面を脱いだ鴇田さんのジョークとともに味わう絶品カツのファンは、地元でも増え続けるに違いない。

【メニュー】
(夜)
メンチカツ定食 1,300円
チキンカツ定食 1,400円
ロースカツ定食 1,600円
上ヒレカツ定食 1,650円
特上ロース定食 2,200円

(ランチ)
メンチカツ定食 1,200円
チキンカツ定食 1,250円
ロースかつ定食 1,350円
ヒレカツ定食 1,350円
※豚汁付き +100円

とんかつ 鴇田(ときた)

住所
〒152-0004 東京都目黒区鷹番2-19-22 g fiestaV 1F
電話番号
03-6452-2941
営業時間
11:30~14:30(L.O.14:00)、 17:30~22:00(L.O.21:30)
定休日
火曜

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。