東京でいま大きな注目を受けている神谷町のイタリアンより
昨日12月1日に発表された『ミシュランガイド東京2016』で、巣鴨のラーメン『蔦』との2軒だけ、ビブグルマンから1つ星に昇格したのが、原品真一マネージャー、北村征博シェフという二人が率いるイタリアン『DA OLMO』だ。イタリアン勢が比較的劣勢なこのガイドにあって、コストパフォーマンスに優れたおすすめ店であるビブグルマンから「その分野で特に美味しい料理」である1つ星へと大きくジャンプアップした今注目のレストランである。そんな話題のレストランのソムリエである原品さんが選んだ1本はもちろんイタリアンだった。
RADIKON Ribolla Gialla 2005(ラディコン リボッラ・ジャッラ)
原品さんが紹介してくれたラディコンはイタリアとスロヴェニアの国境であるフリウリのオスラーヴィアで第二次大戦後まもなく、現当主スタニスラオ・ラディコンの祖父がはじめたワイナリーで、スタニスラオ(スタンコ)は1980年にワイナリーを受け継いだ。今回紹介していただく、リボッラ・ジャッラはその名の通り、リボッラ・ジャッラという土着品種100%。化学肥料を全く使わず栽培したブドウをゆっくりと時間をかけてマセラシオン。スキンコンタクトすることで白ブドウから造られたワインであるにもかかわらず、オレンジ色の液体となる。オークの大樽で熟成し、ノンフィルター、2002年からはすべてのキュヴェのワインが酸化防止剤無添加で生産されている。
<原品さん>
ラディコンはナチュラルで、フリウリを代表する造り手であるグラヴナーの系譜を受け継ぎつつ、最先端の造りを実践している人だと思います。私は特に彼の時間に対する考え方に感銘を受けています。ラディコンの現行ヴィンテージは2004と2005年ですが、樽と瓶、それぞれにおいての熟成期間の圧倒的な長さは他ではなかなか見られないものです。リリースした時点で既に瓶熟が完了しているんです。彼の中でゴーサインを出せるものだけをリリースしているわけですが、巨大な資本を持つワイナリーではないし、ブドウ栽培、醸造において人為的な介入をほとんど行わないワイン造りをしているということを考えると、本当に大きなリスクを背負っていると思います。
こういうワインに触れると、扱う私たちのほうでも考えさせられることがあります。例えば熟成期間に対する考え方ですが、他のワイナリーの比較的若いヴィンテージでかつある程度のポテンシャルを感じるワインについてもラディコンと同じような環境を作るというようなことです。入荷された途端に美味しいものもいいけど、少し待つと表情が出てくるワインも多いので、こういった熟成は意識してやっていこうと思います。
ラディコンはストイックです。良質のコルクを、できるだけたくさん使わないようにと直径を補足したり、ボトルの容量を変えたり、はたまたラディコングラスという手吹きの専用グラスを作ったりと、、、すべてのことで妥協をしないんです。
作り手として、最後まで飲む人のことまでをちゃんと見ている。途中で完結させてしまわないんです。
このリボッラ・ジャッラは、リボッラという品種がこんなに華やかだったのかと驚く一本です。マセラシオンはしているけれど、ブドウのニュアンスがしっかりしていて、普段ナチュラルなワインを飲みつけてない方でも感動する味わいだと思います。
2005年は、元々タンニンが強い印象でしたが、酸が伸びてきて、綺麗に仕上がってきています。
料理は、この時期なら、きのこからメインまで行けると思います。白トリュフは一般的に古いバローロと合わせるとかいうけど、こういう白なら面白いのではないかと思います。
偉大なのに、スルスル飲めてしまう一本です。
<価格>
ボトル9,800円
ディナーは6,500円+パン代500円
アラカルトは、前菜の盛り合わせ6品1,800円(2人前)ほか、仕入れによって日々異なるメニューが展開される
DA OLMO (ダオルモ)
- 電話番号
- 03-6432-4073
- 営業時間
- ランチ火~金曜日11:30~14:00、ディナー月~土曜日 18:00~23:00
- 定休日
- 定休日 日・祝
- 公式サイト
- http://www.da-olmo.com/
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。