都内某所、紹介制隠れ家バーに読者のみ今日から9日間限定解禁!

【連載】金曜日のシャンパーニュ week9  ここ数年、シャンパーニュを飲む人が増えている。香り、味わい、爽快感…他の「泡」では得られない満足感はシャンパーニュならでは。そこで、ちょっとリッチに過ごしたい金曜の夜に飲みたいシャンパーニュを日本を代表するワインジャーナリストでシャンパーニュ通として知られる柳忠之さんにセレクトしていただいた。

2015年12月18日
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都内某所、紹介制隠れ家バーに読者のみ今日から9日間限定解禁!
Summary
・普段は紹介制で入店可能な店で飲むシャンパーニュ
・本日18日~26日(土)まで読者限定で紹介不要
・ジャック・セロスの当主・アンセルムが有望と語った造り手

東京都心の本日の最低気温は摂氏3度。週前半の温かさはどこへやら。寒さが身にしみる今宵は、温かなおでんを突っつきながら、美味しいシャンパーニュを一杯。そういえば、シャルトーニュ・タイエの新アイテムが入荷したとか言ってたっけ?

ジャック・セロスに有望と言わしめた若手

シャルトーニュ・タイエはランスの北西メルフィ村にあるレコルタン・マニピュラン。2006年以降、現在32歳になるアレクサンドルがシャンパーニュ造りに励んでいる。
彼の名前を初めて聞いたのは、ジャック・セロスのアンセルムから。「うちで研修してるのにアレクサンドルってのがいるんだけど、こいつはジェローム・プレヴォやオリヴィエ・コラン並みに有望だね」。

それから5年後にメルフィの蔵を訪ねてみると、そやつは情熱の塊のような男だった。挨拶もそこそこ、こちらの取材の趣旨も聞かぬうちに、自然農法の大家、福岡正信著「自然に還る」のフランス語版を見せて語り出す。続いて自分が畑をもつメルフィの土壌について。格付け84パーセントの「その他のクリュ」だが、17世紀から19世紀の文献を調べると、メルフィのブドウは高値で取り引きされていたことがわかり、格付けが低いのは戦争で畑が荒廃したせいだという。

実家に戻るやいなや、彼がまず行ったのは除草剤の使用を止めること。さらに土壌研究の権威、クロード・ブルギニヨン教授に依頼して、所有畑の土壌を分析してもらった。すると区画ごとに土壌が異なることがわかり、単一区画、単一品種、単一年という、セドリック・ブシャールを彷彿させるキュヴェを造り始めた。

蔵の中に入ると、ステンレスタンクやオークの樽に混じって、卵型のコンクリートタンクまであるではないか! オーク樽の並び方にいたっては、「東西方向より南北に並べたほうがいいんだよね」などと語る。おぬし風水まで研究してるのか?
まあ、当時は20代後半という若さ。なにごとにも貪欲にチャレンジするエネルギーに満ち溢れていた。

じつはシャルトーニュ・タイエというRM、親父さんの時代からシャンパーニュの出来は素晴らしく、とりわけ「フィアークル」という名のキュヴェはその洗練さと奥行きにおいて、大手のキュヴェ・プレスティージュにも見劣りしないものだった。また一方、アレクサンドルが造り始めた「オリゾー」や「ウルトビーズ」といった単一区画ものは、当然ながらピュアさが際立ち、その精緻な味わいにも多いに魅かれるものがある。

さて、新アイテムというのはピノ・ムニエ100パーセントの「レットル・ド・モン・ムニエ」。アルフォンス・ドーデの短編集「レットル・ド・モン・ムーラン(邦題「風車小屋だより」)」に引っかけているらしい。ちなみにムーラン(風車小屋)で粉ひきする人をムニエという。温もりのあるムニエ100パーセントのシャンパーニュとおでん、なんともよさげな組み合わせではないか。

「dressingのコラムを読んだ」と言えば今だけ!紹介制の隠れ家にてシャンパーニュを

お店は麻布十番/六本木エリアにひっそり佇む「Champagne Bar HACHI」。この時期は不定期ながらおでんがメニューに登場。

シャルトーニュ・タイエは「レットル・ド・モン・ムニエ」のほか、単一区画ものの「オリゾー」や「ウルトビーズ」もラインナップ。クリスマスイヴならロマンティックなロゼもよろしかろう。

おっと、ひとつ言っておかねばならないのは、ここが原則紹介制のお店ということ。ただし今回はdressingの読者に限り、本日12月18日(金)から26日(土)までの期間限定ながら、紹介者なしでも入店が可能に。電話予約の際、「dressingのコラム読みました」と告げるべし。
シャルトーニュ・タイエの単一区画ものを賞味できる店などそう多くはない。

予算6,000円~

※柳忠之さんのスペシャルな記事『キンメリジャンがワインに何を与えるのか?~ワインマニアのためのテロワール講座その1~』はこちら

Champagne Bar HACHI

住所
住所非公開
電話番号
03-6447-4964
営業時間
19:00~24:00(土曜17:00~22:00)
定休日
定休日 日曜

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。