身体的経験もなく無自覚に情報だけで店を選んでいるだけの客は実は店からもその「程度」を見抜かれている

【店づきあいの倫理学】店は生きものであり「おいしさ」や「楽しさ」は数値化できない。だから顔の見えない他者からの情報「評価」を比較して店や食べるメニューを決めたりすることは無効だ。その店だけの「固有の身体感覚」のようなものがあり、その場その時の「代替不可能な店側/客側のコミュニケーション」が、その店の真価を決定づけている。「店と客の関係性」をもとに「よりおいしく食べるための店づきあい」の方法とは?

2016年08月10日
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身体的経験もなく無自覚に情報だけで店を選んでいるだけの客は実は店からもその「程度」を見抜かれている
Summary
1.飲食店で「食べること」の感覚的な関係
2.カウンター的食世界について
3.「食べ上手」への道を開く方法とは?

鮨屋にしろお好み焼き屋にしろカウンター形式の料理店は、食べることに何か別の楽しさを付加してくれる。
京料理は個室や座敷に上がって食べる料亭よりも、カウンタースタイルの割烹の方がおいしく食べられるのではないか。

そんなところから、飲食店で「食べること」の感覚的な関係を見ていこう。

フレンチやイタリアンにしても、「今度、お食事でも」といった具合で、誰かに会ったり仲良くなるのが目的の「人との関係性を優先して食事に行くこと」と、単純に「おいしいものをおいしく食べたくて行く」というのは、全然違う局面だ。

それは俗に言われるTPOと一見よく似ているが、それともちょっと違う。

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