ショコラマニアも納得!濃厚ショコラケーキがクセになる『ロオジエ』出身パティシエの『ラ カンドゥール』

2016年11月30日
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ショコラマニアも納得!濃厚ショコラケーキがクセになる『ロオジエ』出身パティシエの『ラ カンドゥール』
Summary
1.クラシカルなフランス菓子に独自のエッセンスをプラス
2.チョコレートを使用したケーキがパティシエのおすすめ
3.シェフパティシエは『レストラン ロオジエ』でも活躍

新宿駅から京王線で約20分、車窓から見える緑が多くなった頃、仙川駅に到着する。仙川は新旧魅力ある飲食店が多く、自然環境抜群の文化香る街として、近年人気のエリアになっている。『LA CANDEUR』は個人飲食店が軒を連ねる小さな通りに開店。白い木肌のヒノキの扉を開くと、凛としていながらも優しい表情のお菓子が、愛おしいほど礼儀正しく並んでいる。

シェフパティシエは安藤康範さん。20代でフランスに渡り、4年間の修業を経て帰国。『レストラン ロオジエ』で活躍した後、ショートケーキで有名な『パティスリーデフェール』などでシェフパティシエを務め、夢だった自身の店を開いたのだ。

「伝統的なフランス菓子にどこまでオリジナルを加えていくか。崩し過ぎないよう迷いながら作っています」と、安藤さんは語る。奇をてらった派手さや複雑な飾りのない、実直で素朴な安藤さんのお菓子を、ゆっくり味わってみよう。

スポンジ・生クリーム・イチゴの一体感

どの店のショーケースにもある、シンプルなショートケーキ。ハート型にカットしたイチゴに胸キュンとなる「フレーズ」は、ふんわり軽いスポンジ生地に、乳脂肪の割合が異なる3タイプの北海道産生クリームを使用する。フォークを入れて驚くのは、スポンジ、生クリーム、イチゴの一体感だ。スポンジとクリームの層を崩すことなく最後のひと口まで味わえる。

並ぶケーキ、色目は地味なブラウン系だ。自家製のヘーゼルナッツのプラリネにチョコレート&生クリームの「マルジョレーヌ」、チョコレートムースに木イチゴのジャムがアクセントになった「ショコラ フランボワーズ」など、ブラウン系なのは、チョコレートを使ったお菓子が多いからだ。

バティシエお気に入りのチョコレートケーキ

「マジストラル」(写真・上)は、ヴァローナ社のカカオ分70%のビタータイプとミルクタイプ、2種類のチョコレートムースを詰めたチョコレートケーキ。「深みのある濃厚なチョコレートの世界が表現できていて、僕自身、とても気に入っています」と、安藤さんは説明しながら優しい笑顔がこぼれる。底には、プラリネのアーモンドが敷いてあり、サクッサクッと弾ける食感が楽しい。

フランス修業時代、若い日に出逢ったパリ『ダロワイヨ』のオペラ(写真・上)。コーヒーとコニャックを染み込ませたスポンジの間に、バタークリームとガナッシュを挟み、6層に重ねて仕上げたフランスの伝統的なショコラケーキで、『ダロワイヨ』が1954年に最初に創ったとされている。その美しさ、おいしさに心奪われたという安藤さん。以来、ずっと作り続けているという。ショーケースの中で最も茶色く、小さなフォルム。素朴で目立たないケーキなのに、淡々とオーラを放っている。

安藤さんのエッセンスが最も加わったケーキが「ヴェリーヌ サヴァラン」(写真・上)だ。グラス仕立てで、底にクリームブリュレ、サヴァラン生地のブリオッシュ、オレンジの果肉入りゼリーが層になっている。全体にしっかりグランマニエが染み込んでいるが、「もっと!」というラム酒風味が好きな方に朗報。スポイドに詰まったグランマニエをケーキの上に乗せているため、それをかければグランマニエの味がより広がっていく。

3種のチーズを使った「ほとんどチーズ」のケーキ

マスカルポーネ、カマンベール、クリームチーズの3種のチーズをふんだんに使用した「フロマージュ エペ」。スフレチーズのように見えるが、なんのその。小麦粉を使わずに仕上げているので、「ほとんどチーズなんです」と安藤さんは説明する。口溶けは夢のように滑らかで、濃厚すぎる味わいは赤ワインが恋しくなる。

ケーキ以外にも、ショーケースの上には焼き菓子がたくさん並んでいる。ビターアーモンドをたっぷり使ったグランマニエが香る菓子「パン ド ジェンヌ」をはじめ、ラム酒が効いたフランス・ボルドー地方の伝統菓子「カヌレ」など、思わず手を伸ばしたくなるお菓子の数々。紅玉を使った「タルト オ ポム」といった季節限定品もあり、“ちょっとおやつ”に買っていくのもいいかもしれない。

一方、アンティークのテーブルには、マドレーヌやフィナンシェ、サブレなどの焼き菓子が並ぶ。フレッシュケーキのように、出来立てを手渡したいとの思いが根底にあるので、保存料はもちろんのこと、エージレス(脱酸素剤)も使わず、少量ずつを頻繁に作るのが安藤さんのスタンスだ。“大人かわいい”パッケージに入った「フランス菓子詰め合わせ」は、ちょっとした心遣いにふさわしい。

言葉を丁寧に選びながらゆっくりと語る安藤さんの表情は、自ら生み出すお菓子に似て凛としながらも優しい。今度は、クラシカルなフランス菓子に、安藤さんの新しいエッセンスがプラスされた新作を楽しみに、ヒノキの扉を開きたい。

【メニュー】
オペラ 460円
フレーズ 420円
フロマージュ エペ 460円
ヴェリーヌ サヴァラン 480円
マジストラル 520円
フランス菓子詰め合わせ 700円
※価格は税抜

フランス菓子 LA CANDEUR (ラ カンドゥール)

住所
〒182-0002 東京都調布市仙川町1-3-32
電話番号
03-5969-9555
営業時間
10:30〜19:30
定休日
公式サイト
https://m.facebook.com/lacandeur.sengawa/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。