酒の名店『麦酒庵』が日本橋に割烹をオープン! 好みの味を伝えて自分史上最高のペアリングを体験してみた

2017年07月31日
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酒の名店『麦酒庵』が日本橋に割烹をオープン! 好みの味を伝えて自分史上最高のペアリングを体験してみた
Summary
1.和食×クラフトビールの『麦酒庵』が日本橋に割烹をオープン
2.おまかせフルコースにクラフトビール・日本酒をフルペアリング
3.各皿の魅力を完璧に引き出すマリアージュに口の中は宝石箱状態

恵比寿『麦酒庵』が日本橋に完全コース制の割烹をオープン

都内でもいち早く“クラフトビール×和食”という新たなマッチングを打ち出したことで知られる『麦酒庵』。大塚や恵比寿の系列各店では、100種類をゆうに超える日本酒と、国内外のクラフトビールだけをお酒として取り扱う。そんな突き抜けたスタイルに魅了された酒好きたちが夜な夜な集う人気店だ。

そんな料理とアルコールのペアリングに定評があった『麦酒庵』が5月8日、さらに進化したスタイルの新店を日本橋にオープンした。

2階は従来通りの『麦酒庵』なのだが、1階に構えた『割烹 ふた麦 麦酒庵分店』は、しっとりと落ち着いた雰囲気のカウンター割烹。ここでは、旬の魚介と野菜を中心に設えたコース料理のみを提供する。

さらに追加で「ペアリングコース」をオーダーすると、料理一品一品すべてに対してお店が日本酒やクラフトビールのマリアージュを提案してくれるのだ。

料理は「先付」、「御凌ぎ」、「向付」、「焼き物」など全9品のフルコースで構成。その中から、もっとも同店らしい4品とアルコールのペアリングをご紹介していこう。

滋味深い和食と、クラフトビール&日本酒のフルペアリングがオススメ

先付は「ビーツの炊き合わせ」(写真上)。煮汁が薄いピンク色に染まっているのは、2時間以上じっくりと煮込んだ国産ビーツの色味が溶け出しているから。さらに62℃の低温調理でしっとりと火を通した鶏モモ肉と、旬のオクラ、トウモロコシを合わせている。

同店では、この炊き合わせにアメリカのクラフトビール『ファイアーストーンウォーカー』のWIPA「ダブルジャック」をペアリング。

WIPAとは、芳醇な香りとビターな味わいが特徴のIPAよりも、さらにホップとモルトの添加量を増やしたもの。そのためアルコール度数が高く、この「ダブルジャック」は9.5%というアルコール度。ホップのアロマが強烈にきいており、華やかな香りと苦みが感じられる。

カツオだしでコトコトと柔らかくなるまで煮込んだビーツは、滋味ななかにも若干の甘みと土臭さが感じられる。そこに「ダブルジャック」を注ぐと、ビーツの個性とホップの苦みが混ざり合い、口の中で不思議なほどの広がりを感じさせてくれる組み合わせだ。

続いて「向付」は「白身魚のジュレ寄せ」(写真上)。撮影当日は、朝採れ、神経締めの状態で小田原から届いた鮮度抜群のイサキを刺身にして、葉ワサビと和え、カツオだしのジュレをかけたものだ。

葉ワサビのピリリとした刺激が心地よいこの爽やかな向付には、宮城県石巻市『墨廼江酒造』の「墨廼江 Rice is beautiful 酒門 H27BY」をペアリング。

同酒は、兵庫県特A地区産の山田錦と宮城酵母を使用した純米酒。食中酒としての穏やかさを特徴として持ちながら、凛とした透明感のある味わいで、だしのジュレをまとった白身魚との相性は抜群。杯を進めるごとにそれぞれのおいしさが増していくかのような、絶妙なバランス感が体験できる。

好みに応じて提案してくれるお酒のマッチングに酔いしれる

焼き物は「マスノスケの塩焼き」(写真上)。こちらは宮城県石巻産の希少な天然キングサーモンを使用しており、天然ものならではのみっしりとした身入りとうまみが絶品だ。そこに、甜菜糖で甘みを加えたフレッシュなレモンソースを添えてあり、口の中でパッと広がる鮮烈なレモンの酸味と、キングサーモンの上質な脂との相性が最高においしい。

合わせるのは、島根県出雲市『旭日酒造』の「生酛純米・十旭日(じゅうじあさひ)改良雄町70 26BY 加水バージョン」。コクがあって力強い「十旭日」本来の酒質に、生酛づくりならではの奥行きが加わった一品。燗にすることでうまみがさらにぐんとアップするため、キングサーモンのパンチのある味わいとのハーモニーは絶妙だ。

ただし、この生酛・山廃系特有の香りや味わいは「ちょっと苦手……」という向きも少なくない。同店では、そんな人に対して岩手県遠野市『醸し田屋』の「とおのどぶろく・スタンダード」(写真下)を提案する。

遠野市内にある『民宿とおの』で自家醸造しているこのどぶろくは、薄いブルーのボトルにトンボのエチケットという風貌からして、従来の土着的な”どぶろく”のイメージを覆すスタイリッシュさ。その味わいも非常に洗練されており、青リンゴや洋ナシのような甘酸っぱさと米粒のプツプツとした舌触りが楽しい。ミルキーで優しい味わいは、また違った軸からのアプローチで天然キングサーモンを楽しめるマッチングとなるだろう。

最後に紹介する揚げ物は「トマト餅とハモのフライ」(写真上)。こちらには、秋田県秋田市『新政酒造』の「白麹仕込純米酒 亜麻猫 2016年」をペアリング。

「亜麻猫」とは、通常の清酒用黄麹に加えて、強い酸味を持ち、焼酎に使われることが多い白麹を使用した純米酒。白麹は抗菌力の強いクエン酸を多く生成するため、爽やかな香りと共にキュっとした強い酸味が楽しめる。

外はサクサク、中身はふわふわのハモのフライは、夏季だけの極上の楽しみ。そしてこの揚げ物と日本酒を堪能する際には、ぜひトマト餅を下にして食べてみてほしい。

トマト餅とは、カツオだしで煮たトマトをミキサーにかけ、葛で固めたもの。これが下に来るように口に含むと、舌の上にトマトのうまみと酸味が一気に広がる。

このペアリングでは、そこに「亜麻猫」の酸味が合わさり、得も言われぬハーモニーが。この料理には『新政』の酸味しか合わないとさえ断言できる、”まるで口の中が宝石箱”状態を体験できるだろう。これぞマッチングの妙! ペアリングの愉しさ、ここに極まれりといった一品だ。

タップ12のクラフトビールと100種類を超える日本酒をラインナップ

同店では、樽生のクラフトビールを約12タップ取り揃える。南信州ビールの「アップルホップ・ふじ」や、常陸野ネストの「アマリロ カスクバージョン」など、女性が飲みやすいフルーツビールや、食中酒向きのライトなもの、通好みのタイプまで毎日厳選されたビールが揃っているので、どんな食事モードにも応えてくれるだろう。

日本酒の銘柄もしかり。芳醇系やお燗系、酸味の強いタイプや華やか系など、常時100種類以上のラインナップは、どんな料理や嗜好にも対応可能(写真上は左から「十旭日」、島根県出雲市『板倉酒造』の「天穏」、福岡県久留米市『旭菊酒造』の「旭菊 大地」、広島県竹原市『藤井酒造』の「龍勢」)。

料理が饗される際に丁寧な説明を受けたら、併せて個人的な希望や好き嫌いなどをどんどん伝えてみて。きっと自分史上最高のペアリングが体験できるはずだ。同店のコンセプトは「食べ物も飲み物もしっかり楽しんでもらう」というシンプルながら究極の食事体験。至福のマリアージュを、ぜひ味わってみてほしい。

(撮影/岡本寿)

【メニュー】
▼通常コース
料理9品 10,000円(ペアリングコース+3,000円)

割烹 ふた麦 麦酒庵分店

住所
東京都中央区日本橋本町1-4-3 1F
電話番号
050-3494-5674
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
17:00~23:00
(L.O.21:30)
定休日
土曜日・日曜日
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/f68fzm050000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。