「伝説のパン」が蘇る! 『ドミニク・サブロン』元統括シェフが開いた、パン好き待望のベーカリー

2018年01月09日
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「伝説のパン」が蘇る! 『ドミニク・サブロン』元統括シェフが開いた、パン好き待望のベーカリー
Summary
1.伝説のパン職人が作りたかった念願の店が神楽坂にオープン
2.トップシェフの技術から生まれる至福のパンの数々
3.他にはない味わいを持つ絶品パンはパン好きなら必食!

伝説のパン職人が満を持してオープンしたパン屋

焼きたてパンの香りは、まるで魔法のようだ。香りに誘われるかのように、通りすがりの人が一人、また一人と店の中に入っていく。神楽坂駅から赤城神社横の路地を通って徒歩5分ほど。

坂道の途中にある『パン・デ・フィロゾフ』は、オープンしてまだ3カ月ほどだが、近隣のみならず遠方からも訪れる人が絶えない人気店となっている。

『パン・デ・フィロゾフ』のオーナーシェフ、榎本哲さんは、パン好きなら知らない人はいないほどの有名人。専門学校卒業後、数々のブーランジェリーで修業。

その中には、『シニフィアン・シニフィエ』の巨匠・志賀勝栄さんもおり、食べたパンのおいしさに思わず弟子入りを志願した。

パリの高級ブーランジェリー『ドミニク・サブロン』が日本進出した際に、統括シェフとしてブランドの立ち上げに参加。退社後、アドバイザーとして『俺のBakery & Cafe』のオープンに携わり、2017年9月に自身の店をオープンしたのだ。

以前から、店を持つなら神楽坂と決めていたという。フランス人が多く住み、おいしいレストランも数多くある神楽坂には、パンやチーズと共にワインを楽しむ文化が根付いている。

“日常使いできる、日々の食卓にのぼるパン”を作りたい。そう考えていた榎本さんにとって、自身の店をオープンするのにぴったりな街だった。

人が2~3人立てばいっぱいになってしまうほど、小ぢんまりとしている店舗のインテリアは実にシンプル。時を経て味わいを増す鉄と木、そしてクールな存在感の石がメインに使われている。

街になじみ、10年後にカッコよくなる店を目指したという。

販売スタイルは対面式。カウンターには常時15種類ほどのパンが、こんがりとした焼き色もおいしそうにずらりと並ぶ。

「今晩、こんな料理に合わせたい」、「チーズにはどれがあう?」。会話を交わし、丁寧に説明をしながら、パンを売りたいと思い、このスタイルを選んだ。

トップシェフが自在に作り出す絶品「パン」の数々

「おすすめのパンは?」と尋ねると「全部です」と榎本さん。いずれのパンもシンプルでありながら、榎本さんならではのこだわりや技量がぎゅっと詰まっている。

何はさておき、まずは、このパンから紹介しよう。『ドミニク・サブロン』が閉店した後も、あの味が忘れられないとファンが待ち焦がれたクロワッサンだ。

フランス産の発酵バターを使い、3種類の小麦粉を配合して作られたクロワッサンは、芳醇なバターの香りがたまらない。サクサクと香ばしい外側と、小麦の甘さがにじみ出る生地とのバランスが絶妙だ。

榎本さんの中には“こんなクロワッサンにしたい”というイメージがしっかりあり、小麦の状態を見ながら配合率を微調整するなど、繊細な心配りが揺るぎないおいしさを作り上げる。

1日100本は出るというバゲットは3種類ある。なかでも『フィロゾフ』ならではのバゲットが「アルファ・バゲット」だ。

ひと口食べれば、普通のバゲットにはない食感に驚かされる。外側は薄くパリっと歯切れよく、内側は柔らかくもっちりしている。秘密は常識破りの湯種使いにある。

湯種とは、小麦粉を熱湯でこねて、でん粉をアルファ化させた種。もっちりとした食感が特徴で、食パンなどによく使われる。この湯種を使うことで、これまでにないバゲットが誕生した。

時間が経っても固くならないため、サンドイッチにぴったり。甘みのある味わいはお米のようで、和食にも合うバゲットになっている。

バゲットはいずれも長時間発酵しているため、コクと甘みが濃厚で、ナイフを入れると、ふわっと小麦の香りが立ち上るほど香りが強い。

「バゲット・ジ・コンプレット」は、北海道産キタノカオリの全粒粉を使ったパン。キタノカオリはクセのない小麦で、全粒粉で使用しても、香りや味わいがマイルドなところが魅力だ。

もう一つ、驚かされる食感のパンがある。食パンの「アサマ山食パン」だ。使っている小麦は群馬県産の小麦。うどんによく使われる小麦だが、パン作りにはまったく向いていないと言われていたという。

榎本シェフは、この小麦を「面白い」と思い、食パンにした。成形しづらいほど柔らかい生地を、榎本さんならではの技術で食パンに仕上げていく。

出来上がったパンは、しっとり柔らかいながらも、モチモチして、他にはない食感がクセになる。甘みが強いため、そのまま何をつけずに食べてもおいしい。

トーストすると、カリッとした表面と、柔らかくモチっとした食感の両方が楽しめ、どちらで食べようか迷ってしまう。1日に作れる量が限られているため、昼までには売り切れてしまうそうだ。

ゴツゴツした素朴な形の「ル・ヴィニュロン」は、リンゴやレーズンをオーガニックワインで煮て、そのフルーツの甘みが溶け込んだワインで仕込んだパン。ワインの香りが芳醇で、中にフルーツがゴロっと入り、ナッツの食感がアクセントになっている。

料理にはもちろん、このままワインと合わせてみたくなる。

目指すは街の人に愛されるパン屋さん

現在、3つの天然酵母を使用しているが、それらに加えて、ルヴァン種を起こしているところだとか。この種を使って、酸味のあるパンをいくつか作っていくプランがあるそうだ。

「自分がやりたいなあと思うことをやりたくて、この店を作りました。近隣の人たちに長く愛されるパンを作っていきたい」と語る榎本さん。

間違いなく日本のトップパン職人の一人であり、どんなフィールドでも活躍できる榎本さんが選んだ新しい世界。これから、どんなパンが生まれてくるのか。考えるだけでもワクワクがとまらない。

【メニュー】
クロワッサン 280円
アルファ・バゲット 220円
バゲット・ジ・コンプレット 480円
アサマ山食パン 680円
ル・ヴィニロン・ブラン(1/4サイズ) 750円
ポミエ 680円
※価格は税込

パン・デ・フィロゾフ

住所
〒162-0813 東京都新宿区東五軒町1-8
電話番号
03-6874-5808
営業時間
10:00~19:00
定休日
月曜、不定休
公式サイト
https://www.instagram.com/pain_des_philosophes/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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