オシャレな「中華料理」はここが違う!料理・サービス・空間のすべてが素敵なネオクラシック中華『オーブ』

2019年06月17日
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オシャレな「中華料理」はここが違う!料理・サービス・空間のすべてが素敵なネオクラシック中華『オーブ』
Summary
1.“中国料理界のプリンス”と称される話題のシェフの新店
2.日本の食文化×中国料理の技でコース料理を提供
3.スペシャリテはフカヒレ料理! さまざまな味わいで提案

コース料理の始まりはノーブルなラウンジスペースから

2018年9月17日にオープンした中国料理『AUBE』は、大阪・JR東西線北新地駅から東へ10分ほど行ったところに店を構える。

隠れ家を思わせるような路地に面したささやかな入口から、「AUBE=暁」をイメージした赤い照明に導かれて2階へ。

すると、ガラス戸の奥には書棚とレザーソファーをゆったりと配したノーブルなラウンジスペースが広がり、そのギャップが好奇心を刺激する。

さらにその奥にあるカウンターは全6席。左官の職人技を生かした漆喰の壁にオーバルな天井、カウンター席の正面には釜が鈍い光を放ち、寛ぎ感とともに何か宇宙船の中にいるような不思議な心地に包まれる。

『AUBE』では大皿でシェアするスタイルではなく銘々盛りに仕立てたコース料理を提供。ラウンジスペースで前菜を楽しんだあとカウンター席へ移り、全10品ほどを堪能する趣向だ。

コンセプトは「旅と時」。日本各地の食文化を2カ月ごとのコースに表現

オーナーシェフの東浩司さん(写真下)は、5代続く料理人の家庭に生まれた。

祖父は台湾に日本料理店を出したことをきっかけに、大阪では本場の台湾料理店を開き、多くの著名人らに愛された。のちに東京へ進出。東さんは2011年、創業のこの地に祖父の味を再現し地下に『Az/ビーフン東』、1階にワインと中国料理をテーマとした『Chi-Fu』を開業。瞬く間に人気を博し、中国料理界のプリンスとしてメディアでも活躍。そして満を持して同じビルにこちらの『AUBE』を開いた。

店のコンセプトは「旅と時」。スタッフとともに日本各地を旅し、その土地で出逢った食材、調味料、調理法などを取り入れ、生産者たちのすばらしさを伝えたいとの想いを10品ほどのコースに仕立てて表現する。

「中国料理の技と感性を生かし、豊かな食文化を育んだ日本のよさを再認識していただきたいと思っています」と東さん。旅に出ることを考慮して営業は水曜日~土曜日の夜のみ。訪れた地をテーマに2カ月に1度のペースでコース内容を変える。器も各地の作家物が中心だ。

一皿一皿のストーリ一が列島の食の豊かさを実証する

たとえば春、青森県をテーマとした月の前菜は「トゲクリガニと花わさびの春巻」(写真下)。

トゲクリガニは青森県・陸奥湾内で水揚げされる春のご馳走。繊細な甘さのある身を蒸してほぐし、お酒との相性を考えて刻んで発酵させた花わさび、それに木の芽、塩漬けの実山椒とともに巻いてサクッと揚げる。ほどよい塩けがそれぞれの素材の味わいを引き立たせ、口の中に春の香りがいっぱいに広がる。

香川県・愛媛県がテーマの月に登場したのが「くにさきオイスターと新しょうがのトウチ煮込み」(写真上)。くにさきオイスターは大分県国東で養殖されている牡蠣で、近年、黒い宝石として注目されている。

添えられたのは香川県産オリーブの葉。「旬のものとテーマとなる土地のものを組み合わせました。くにさきオイスターはすっきりとした牡蠣本来のおいしさが存分に楽しめます。日本では牡蠣をよくミルキーと表現しますが、このフレッシュな味わいにきっと固定観念がくつがえされるはず。また香川県で訪れた瀬戸内オリーブ園では、オリーブの木を、牡蠣の殻を撒いてミネラル分を補い育てていたのもこの組み合わせのヒントとなりました」と東さん。

ほかに大地を表すくるみを散らし、オリーブの木の周囲に害虫除けとして植えられるというマリーゴールドの花をのせ、瀬戸内オリーブ園のオリーブオイルを垂らして完成。牡蠣の下には牡蠣のだしで炊いた春雨がしのばせてあり、一緒に口にすると牡蠣のうまみがより鮮明に迫ってくる。

大皿料理は目の前でシェフがシェア。スペシャリテはフカヒレの一品

グリルなど大皿盛りは東さん自らが目の前で取り分けて提供する。

「金目鯛の塩釜」(写真上)は、金目鯛を柑橘類やハーブとともに竹の葉で包んで火を通し、塩釜を割ると、香川・愛媛の土地の香りがふわっと広がる仕掛け。こちらを銘々皿に盛り付ける。

タレは陳皮をつけこんだ醤油に発酵唐辛子とネギを加えたもので、甘い鯛に爽やかな風味とピリッとした辛みが加わり食欲を刺激。下に敷かれた香川県産アスパラガスのスライスに絡めて最後まで味わい尽くしたくなる。マイクロハーブの辛みとシャキシャキ感もアクセント。

メインディッシュの定番はその時々に味わいを変えて出されるフカヒレの一品(写真上)。贅沢なひと時にふさわしい分厚いフカヒレを1時間以上かけ煮込む。

この日は伊勢海老との組み合わせ。伊勢海老とそのほか甲殻類でだしをとり、さらに伊勢海老を、フカヒレをほぐしたときに一緒に食べやすいよう85℃くらいの低めの温度で3~4時間蒸して、うまみがありながら箸でほろりとほぐれる食感に。仕上げには香川県のウコッケイの卵をとじて全体をひとつにまとめる。花が咲いたように見えることから中国料理では蛋花(タンファ)といわれる技法。東さんによるネオクラシックスタイルを象徴する一品だ。

ヘッドソムリエによるぺアリングも極上の宵を約束

料理とともにお酒を愉しむペアリングも『AUBE』の大きな魅力のひとつ。お酒のチョイスとサービスはヘッドソムリエの田代啓さん(写真下)がこなす。

「シャンパーニュやワインはもちろんのこと、地酒や旬の果実を用いたカクテルなども用意しています。お酒でも“旅”を堪能していただけます」。またノンアルコールのペアリングもOK。そんな細やかな配慮も、ゲストに満ち足りた“時”を与えてくれる。

洗練された料理・サービス・空間のすべてが揃い、五感に響くラグジュアリーなレストラン『AUBE』。記念日や接待などで大切な人とともに訪れてみたい。

【メニュー】
ディナーコース 25,000円、35,000円
ペアリング 15,000円
ノンアルコールペアリング 10,000円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。価格はすべて税込です。またサービス料は別です

撮影:前田博史

AUBE

住所
大阪府大阪市北区西天満4-4-8 2F
電話番号
06-6940-0317
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
水~土
18:00~22:00
定休日
月曜日・火曜日・日曜日
コースは18:00 or 19:00スタートとなります。
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/sduebr7n0000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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