【連載】金曜日のシャンパーニュ week3

ここ数年、シャンパーニュを飲む人が増えている。香り、味わい、爽快感…他の「泡」では得られない満足感はシャンパーニュならでは。そこで、ちょっとリッチに過ごしたい金曜の夜に飲みたいシャンパーニュを日本を代表するワインジャーナリストでシャンパーニュ通として知られる柳忠之さんにセレクトしていただいた。

2015年10月09日
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【連載】金曜日のシャンパーニュ week3
Summary
・侮れない「協同組合」産
・質の高いピノ・ノワールを育む土地
・「和食とワイン」はこの店からはじまった

極上のコーペラティヴ

金曜の夜23時。こんな時間になってはもはや食事という気分でもない。終電に乗り遅れぬよう、一杯の美味いシャンパーニュと、つまみが2、3品もあれば十分。アイテムは……そう、「ドゥヴォー」が飲みたい。樽使いの上手なコーペラティヴである。 コーペラティヴ、すなわち協同組合と聞いただけでワイン好きは蔑むきらいがあるけれど、「マイィ」と並び、シャンパーニュではこの「ドゥヴォー」が別格だと思う。本拠地は南部のオーブ県に属するコート・デ・バール。マルヌ県のモンターニュ・ド・ランスやコート・デ・ブランといったエリートエリアに対するコンプレックスが、彼らの闘争心に火をつける。 傘下の栽培農家には、除草剤、殺虫剤の使用は厳禁、許されるケミカルな薬品は、ベト病とウドン粉病対策のもののみ、肥料を使うならビオ認証のものと、厳しい規則を課すコーペラティヴなのだ。

極上品質のピノ・ノワール

まあ、歴史的にいろいろあってこの地域の村々は一律80%の「その他のクリュ」に格付けされてしまったのだけれど、今や大手メゾンが先を争い、質の高いピノ・ノワールを求めてこの地を行脚するほど。マルヌのチョーク質ではなく、キメリッジアン粘土石灰質土壌がボディ豊かなピノ・ノワールを育む。 ラインナップの中でも「コレクションD」と呼ばれるラインは、最上の区画を選別して造られたもの。そのアイテムのひとつ「キュヴェD」は40%がリザーヴワインを占め、うち90%が大樽で熟成されている。瓶内熟成期間も5年とすこぶる長い。 とてもリッチで複雑味溢れるシャンパーニュだが、オーブのピノ・ノワールだけだと重すぎてしまうところを、40%アッサンブラージュされるコート・デ・ブランのシャルドネがバランスをとる。アフターフレーバーはブリオッシュやモカのように香ばしい。時間さえ許せば1本開けたいところだが、たった一杯でも十分満足できるシャンパーニュだ。

「和食にワイン」のパイオニア

週末の深夜、このシャンパーニュを味わうのにぴったりな場所がある。「和食とワイン」のマリアージュを日本に広めたパイオニアと言っても過言ではない割烹。六本木の「小田島」だ。通常は22時に閉店するが、最近は金曜22時半以降、ワインバー営業をしているのだという。つまみにはシャンパーニュに合うものを見繕い、塩辛や「小田島」のシグナチャーディッシュと言える「フォワグラ大根」も出してくれる。
もちろん、通常営業の時間帯にはおまかせ全8品の料理がワインともに楽しめる。
はじめて訪れるなら、まずは塩焼きフォワグラを薄味のダシを含ませた大根の上に載せたフォワグラ大根と貴腐ワインを楽しむというのもいいだろう。
六本木の大人の遊びを楽しめる店である。

<バータイム予算>
3,000円~

※柳忠之さんのスペシャルな記事『キンメリジャンがワインに何を与えるのか?~ワインマニアのためのテロワール講座その1~』はこちら

割烹 小田島

住所
〒106-0032 東京都港区六本木7-18-24 鈴木ビル1F
電話番号
03-3401-3345
営業時間
18:00~L.O.22:00(金曜のみ22:30~深夜までバー営業)
定休日
定休日 日曜・祝日・第2・4土曜
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/gaxf800/premium/
公式サイト
http://www.odajima.tokyo/index.html

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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小田中雅子
ライター