渋谷、アヒルストア店主・齊藤さんが一番飲みたい白ワインとは?

【連載】東京・最先端のワインのはなし verre16  ヴァンナチュール。自然派ワインとも訳されるこのワインは、これまでのスノッブな価値観にとらわれない、体が美味しいと喜ぶワイン。そんなワインを最先端の11人が紹介する。

2016年02月10日
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渋谷、アヒルストア店主・齊藤さんが一番飲みたい白ワインとは?
Summary
1.スイスイ飲めるソーヴィニヨン・ブラン
2.2005年からワイナリーをスタート
3.「作家性」を感じるワイン

ナチュラルワインの品揃えの豊富さ、知識、経験の深さ、そして何よりノリの良さで東京のナチュラルワインシーンを引っ張る11人による連載。今回は、渋谷から東急本店通りを富ヶ谷方面に、向かう途中で表れる一際賑やかな空間。週末は開店前から行列さえできるワインバー「アヒルストア」店主・齊藤輝彦さんの順番だ。
前回は、日本ワインを推薦した彼が2本目に選んだワインとは?

Sau / DOMAINE de SAURIGNY(ソー / ドメーヌ・デ・ソリニー)

フランス・ロワール地方アンジュ地区。ナチュラルワイン界における巨匠の一人マルク・アンジェリやルネ・モス、あるいはこのコラムで11本目のワインの話のときに紹介したドメーヌ・デ・グリオット(既に解散)ほか、フランスにおけるナチュラルワインのスター的な人々が本拠とするのがこの地区。そんな、ナチュラルワインの聖地とも言える場所で2005年からワイン造りを始め、近年進化が著しい造り手がジェローム・ソリニーだ。除草剤や化学肥料などを用いない自然な栽培で、自然酵母による発酵、瓶詰め時の亜硫酸不使用と、完璧にナチュラルな造りを徹底している。

<齊藤さん>
素直に「結局一番飲みたい白ってこういうことよね」と思えるワインです。
世の中には色んなタイプの「美味しいワイン」がある。
そんな中でもこのソリニーやグリオットの2人が造る白、大岡弘武さんのサンペレ、出来の良い年のネジュマなんかは、ストレスなくスイスイ飲めるけど、エキス分はしっかりと濃い。

左脳を使わないで、ひと口飲んで「うまっ!!」ってなっちゃうようなワインだと思います。

この造り手に出逢ってからは、ロワール・アンジュまわりの生産者が特に気になってきています。
この連載でも僕の次に順番が回ってくる、代々木上原「メゾンサンカントサンク」の田井くんにも聞いてますが、このジェロームってほんとナイスガイだそうです。このインタビューの翌日からフランス行きなんだけど、彼らと交流できるのは楽しみですね。


ナチュラルなワインもリスクを避けて年々綺麗な味わいにシフトしている生産者が多い中、彼のワインは攻めの姿勢を崩さないまま進化してきている。
それでいて且つ、飲み手をリラックスさせてくれるような「普段着の感覚」も併せ持っている気がします。
彼がいるせいかアンジュあたりの生産者はどうしても気になりますね。

このSauは、シーンを選ばないワインです。
食べ物があってもなくてもいい。
爽やかだけど、エキスの濃いワイン
味が乗っていますね。

凝縮した柑橘+南の熟したフルーツのニュアンスもあるけど、甘ったるくはないです。
この2013年ヴィンテージについてはパッションフルーツぽさもあります。

あと、ちょっとカテキン的というのか、緑茶っぽさというのか。
上等な緑茶のニュアンスを感じます。
ぼくがお茶屋の孫だからかもしれないですけど、お茶のニュアンスがあるワインが好きかもしれない。

このキュヴェはソーヴィニヨン・ブラン100%で、たしかにソーヴィニヨン・ブランらしさはあります。
ただ、ソーヴィニヨン・ブランっていうのは、ここ数年で大きく印象が変わった品種ではありますね。
キリッとシャープなものも濃いものもある。もはや品種から選ぶものではないのかもしれない。
むしろ誰が造ったのかということで、そういう意味では、今はワインに作家性が現れている時代なのかもしれないです。

ソリニーのワインはまさに作家の造ったワインですね。


ボトル6,000円

アヒルストア

住所
〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷1-19-4
電話番号
03-5454-2146
営業時間
18:00~24:00、土曜15:00~21:00
定休日
定休日 日曜
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/rugdt60h0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。