ツウが通い続ける!名店『麻布食堂』の絶品オムライス3種を食べ比べてみた

2016年03月01日
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ツウが通い続ける!名店『麻布食堂』の絶品オムライス3種を食べ比べてみた
Summary
1.今まで作った数は約20万個!職人技が生み出す正統派オムライス
2.人気の味を3種類食べ比べ。一番人気は...
3.卵を溶くところから間違っていた!?原田流オムライスを家庭でおいしく作るコツ

200,000個。それは、『麻布食堂』店主・原田典明さんが今までの人生で丸めてきた卵の数である。人生で、200,000回も同じことをすることがあるだろうか? 1日30食、週休2日として23年間、それに前の店の時代も入れると、これでも控えめな計算のような気がする。

千葉県で生まれ育った原田さんの家は、当時、電気もガスも水道もなかった。もちろん、洋食なんてしゃれた料理は食べたこともない。18歳のとき、友人の誘いで入った料理の世界。原田さんは、ずっと憧れていた「洋食」の料理人をめざす。あれから44年。創業から23年の『麻布食堂』には、原田さんにしかつくることのできないオムライスがあった。

人気のオムライスは3種類。人気No.1を探ってみた

味はケチャップ、デミグラスソース、ホワイトソースの3種類。定番のケチャップ味が一番人気だという。早速食べ比べてみた。

まずはケチャップから。スプーンを真ん中へ運ぶ手が一瞬、止まってしまった。まるで赤ん坊の肌のようなつるんとしたタマゴのドームは、崩してしまうのも気が引ける美しさ。内側はパラパラではなく、意外なほど重厚感があるのはライスがぎゅっと詰まっているからだ。具はたまねぎ、ピーマン、鶏モモ肉と、いたってシンプルである。トマトのフレッシュさを生かしたケチャップソースがかかったオムライスは上品で、どこか懐かしい感じがした。

ライスを炒めるときに「ソース」を隠し味にすることで、内側からコクがでるという。「関西人にウケるんです」と、冗談めかす原田さん。「ソース命」の関西人でなくとも、深い味わいの秘密には納得するだろう。そしてタマゴには一切、味付けしていない。素材本来の甘みが、それぞれのソースと絡まって、個性の違う味わいになっている。

もう少し、大人なオムライスを食べたい人には、デミグラスソースをおすすめする。

甘みよりも、ソースに閉じ込められた肉や野菜たちの旨みを強く感じる。ソースがさらさらとしているから、米とのバランスがよく、口当たりがさっぱりとした一品だ。

ちょっと珍しいのは、白いソースのオムライス。

たっぷりとかかったホワイトソースは、味付けされたライスに負けないくらい濃厚な仕上がりである。柔らかいソースの味わいをぴりっと引き締めるのが、上にかかったパプリカパウダー。濃厚でも重たくなりすぎないから、あっというまに完食してしまった。

今日はこれ!と決めていても、となりの席にたどり着いた皿を見ると惑わされ、どのオムライスも味わってみたくなる。ただ「ここは、オムライス屋じゃない」と原田さんが言うとおり、実はハンバーグステーキや牛タンシチューなどオムライス以外のメニューも魅力的だ。胃袋には限界があるので、ぜひ何人かでシェアすることをおすすめしたい。

卵が丸まっていく過程はまるで、魔法のような職人技

職人技のおいしいオムライスをいただくと、やっぱり自分でも作ってみたくなる。原田さんに、オムライス作りの秘訣(ひけつ)を聞いてみた。
「まったく同じことはできませんよ。こんな数を練習するのはご家庭では無理ですからね」と苦笑いする原田さん。せめて、少しでも近づきたい…と重ねてお願いすると、家庭でもおいしく作るコツを教えてくれた。



大事なことは2つ。卵のかき混ぜ方とフライパンの温度だった。
店では卵を割ると、かき混ぜずに漉し器を使って漉していた。強く混ぜると卵にコシがなくなり、ライスを包むときに破れやすくなるそうだ。漉し器がない場合は、軽くまぜてからすぐにフライパンに投入せずに少し、置いておくといい。このひと手間で卵がなじんできれいに仕上がる。
フライパンの温度は熱すぎないこと。皮膚の一番柔らかいところに近づけて、やけどするくらいの温度がちょうどいい。少し難しいが、フライパンを動かしたとき、薄く敷いた油がスムーズに流れるくらいが目安。油は少なめに。卵とフライパンの間に油が残ると、くっついて離れなくなって破れやすいからだ。
フライパンに卵を注ぐと、表面が固まるまで数秒待つ。外側が少し固まったと思った瞬間、躊躇(ちゅうちょ)なく思いっきりかきまぜてほしい。フライパンと箸を素早く動かすと、短冊状に線がいっぱいできる。これが絡まりあって破れにくくなり、その間に卵液がしみ込んで表面はきれいに、食べるとご飯となじんだ食感が出来る。
「昔は鉄のフライパンしかなかったから。本当に大変だった」と話す原田さんの腕の筋肉は、還暦を越えた人の腕ではない。手首のスナップを利かせながら、右に左に揺らす不思議な動きに注目していると、あっという間にご飯が包まれていた。

さっそく台所で試してみた。今までの家庭で作るオムライスより格段においしくなったが、同じようにはうまくいかないし、同じ味なんてもってのほか。20万回以上ってやっぱり偉大だ。だから北海道から沖縄まで日本各地から『麻布食堂』に人が集まる。最寄り駅から歩いて約15分という決して便利とは言えない場所にあっても、海外からもやってくる人がいるというのは、一口食べれば納得するはずだ。
(取材・文/植木祐梨子)

【メニュー】
[ランチ]
 オムライス各種 980円(税込)

[ディナー]
オムライス各種 1,200円(税抜)
洋食セット ドリンク、前菜、料理、サラダ、コーヒー 2,600円(税抜)

麻布食堂

住所
〒106-0031 東京都港区西麻布4-18-1 麻布ウエストB1階
電話番号
03-3409-4767
営業時間
ランチ 11:30~14:00(L.O.)、ディナー 17:30~21:30(L.O.)
定休日
定休日 日、月、祝日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/ae4h9r500000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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・やわらか選手権No.1?『チャモロ』の厚切り牛タンオムライスがふわっふわ&トロットロ」
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