パン好きの心に響く店がオープン!話題の『365日』が仕掛ける『15℃』に行ってみた

2016年03月11日
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パン好きの心に響く店がオープン!話題の『365日』が仕掛ける『15℃』に行ってみた
Summary
1. パン屋に革命を起こした『365日』が今度は食のセレクトショップに伝説を作る?!
2. 生産者と消費者をつなぐ店が食の世界に新時代をもたらす
3. トレンドは食のセレクトショップ!世界各国からこだわりの食材が勢ぞろい

パン屋に新時代をもたらした『365日』オーナー、杉窪章匡氏が手がける新店

今までにないパン屋が代々木にできる!とオープン前から食業界で話題騒然となった『365日』。中に入ればパンだけではなく、野菜や調味料、さらに米まで売っている。
「日本のパンは日本の食文化と寄り添っていない。」と語るのは、オーナーシェフの杉窪章匡氏。パンはその国の食文化と寄り添うべきなのだが、日本では海外のパンを持ってきているだけだと感じた。そこに疑問を抱き、日本の食材を積極的に取り入れ、素材を生かした純日本製のパンを作った杉窪氏は、パン業界の革命的存在だ。
例えば、国産小麦キタノカオリ100%で作られる「ソンプルサン」は日本の小麦特有のしっとりもちもちとした食感が人気で1日150個売れる。店は常に全国から訪れる人で溢れ、杉窪氏の独創的なパンに魅了され毎日通うものも少なくない。

実は杉窪氏は、パティシエ、シェフの肩書きを持ちフランスでは星付きレストランで修業していたこともある人物。またスタッフも、ソムリエやシュヴァリエ・デュ・タストフロマージュ(フランスでチーズの普及に貢献した者に与えられる称号)などのエキスパート。それゆえ『365日』はパン屋という括りに収まらず、たった6席のカウンターでは自家製のスープやソーセージなどが楽しめるのだ。休日になると3時間待ちもザラなモーニングのメニューには焼き魚まである。そんな店をオープンして2年、日本の食材の良さを引き出した杉窪氏が、今度は世界の食材に目を向けた。

食のセレクトショップの新たな扉を開けた『15℃』

『365日』から徒歩1分、同じ富ヶ谷の地に『15℃』を構えた。4人掛けテーブルが3つ、カウンター席8席のナチュラルカラーのグラデーションが施された温かみのある空間で、朝はモーニングセットやグラノーラ、昼はサンドイッチとハンバーガー、夕方以降には「牛ステーキとトマトのチリソースサラダ」や「タコとジャガイモのフリット」などの一品料理が提供される。

ひとつひとつの食材は極めているのだが、喉を通る時にはすべてが一体となって素晴らしいハーモニーを奏でる“口の中で完結する料理”が持ち味。「業界の中で僕以上に食べ歩きしている人はいないのではないかと思うくらい世界中のレストランに行くし、実家ではおかずが非常に多い食卓だったので、どういう順番で何を最後に食べると美味しく感じられるかが子供の頃から訓練された。」と語る杉窪氏。メニュー作りはその幅広い知識と経験によって食材を見た瞬間にすべてが繋がり、決して偶然の産物ではないのだとも言う。

ショーケースにはテイクアウトできるパンや、杉窪氏がずっとやりたかったと言う惣菜やオリジナルの焼き菓子が並び、『365日」で販売されていた野菜は今後『15℃」で販売する。本、レコード、食器、そしてこの店のために輸入したコーヒー豆も店に彩りを添える。ここは食という視点で捉えた新しい形のセレクトショップなのだ。いかに多様性に応えられるかを考えた店だと杉窪氏。どんなものに出合えるのかをイメージするだけでもワクワクしてくるではないか。

「生産者と消費者をつなぐ」、セレクトショップの新しい形

こちらでは日本だけにとどまらず、タイやスペイン、アメリカなど世界の食材を使っている。その一つにエチオピアのコーヒー豆がある。エチオピアはコーヒー発祥の地と言われているが、国が貧しいためコーヒー農家は農薬や肥料が買えない。つまり無農薬、無化学肥料の豆が自然にできてしまうわけだが、これが実はなかなか作ることができない世界的財産なのである。この豆で淹れるコーヒーの価値を伝えるため杉窪氏は独自で仕入れをした。店に入ってきた豆はローストする前と後に手作業で選別をする。日本に送る前に石や虫食いの豆は除いているそうだが、ひと粒でも悪い豆が入ると味が全く違ってしまうので自分の目で確認し完璧な状態にする。その作業の大変さは見ているだけで十分わかる。そうやって選んだ良い豆を自家焙煎し、きっちり90℃のお湯で淹れたコーヒーはベリーの香りが鼻をくすぐり、繊細な酸味と華やかさを感じる。こういうコーヒーがあったのかと感動すら覚えた。

地球の平均気温を意味する店名は、世界が繋がっていることを表している。「店でその食材を使った料理を提供することで生産者や生産国を知ってもらえることが大きな使命」だと杉窪氏は言う。食材や物の価値を伝え、応援し、守るために『15℃』があるのだと。
自分たちだけではない、料理、飲み物、食器、本などすべてがこの店を通して広がってほしいという願いが込められているのだ。訪れる人の心に響くもの、望むものがきっとある。

(メニュー)
トリッパトマト煮サンド/800円
牛ステーキとトマトのサラダ/1,200円
タコとジャガイモのフリット/900円
焼き菓子/280円〜
DRIP COFFEE(TYPE GUJI)/550円
※すべて税抜
※2015年5月まではメニュー、営業時間が異なりますので必ずご確認ください。

15℃

住所
〒151-0063  東京都渋谷区富ヶ谷1-2-8
電話番号
03-6407-0942
営業時間
7:00〜23:00
定休日
定休日 無休
公式サイト
http://ultrakitchen.jp/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。