自然派ワインはこの人に訊け! 20年以上関わり続ける日本の草分け的シェフが選んだ一本

【連載】東京・最先端のワインのはなし verre19  ヴァンナチュール。自然派ワインとも訳されるこのワインは、これまでのスノッブな価値観にとらわれない、体が美味しいと喜ぶワイン。そんなワインを最先端の11人が紹介する。

2016年03月30日
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自然派ワインはこの人に訊け! 20年以上関わり続ける日本の草分け的シェフが選んだ一本
Summary
1.約40年間ずっと自然なワイン造りを続けてきた第一人者
2.ワインに独特の香りがある造り手
3.2002年以降はエレガントで熟成期間も長い

前回、宗像シェフにお話をお聞きした時、師事していた故パスカル・サンタイエ(Pascal Santailler)シェフにいろんなナチュラルワインを飲ませてもらっていたという話が出た。その中の生産者の一つが、今回紹介するダール・エ・リボだ。
もう20年以上も前の話だ。

Crozes Hermitage Rouge C'est le Printemps / Dard & Ribo(クローズ・エルミタージュ ルージュ セ・ル・プランタン / ダール・エ・リボ)

ダール・エ・リボは、自然派ワインを代表する北ローヌの生産者で、当主のルネ・ジャン・ダールと数十年来の友人フランソワ・リボの二人によって運営されている。
特にルネ・ジャン・ダールは、16歳の頃から家の畑を手伝ってワインを作り続けてきたというから、既に40年のキャリアを持つ。
除草剤や化学肥料を用いない自然な栽培がなされたブドウを完熟させ、最適なタイミングで収穫。醸造についても、自然酵母を用い、清澄・ろ過を行わないなど人為的介入を極力排除。瓶詰め時の亜硫酸も特別な事情の生じた年やキュヴェを除いて原則添加しないという、典型的な「自然派」と呼ばれるタイプの生産者だが、彼らはそう呼ばれることを良しとはしていない。
あくまでも、ダール・エ・リボのワインを造っているだけだという。
いわゆる自然派ワインの道を開いたマルセル・ラピエールとはまったく無関係にナチュラルなワインを作り続けてきたピエール・オヴェルノワと同様、彼も自らのスタイルを構築してきたら、いわゆるナチュラルなワインだったというだけのようだ。

<宗像さん>
今回、ダール・エ・リボを選んだ理由の一つに、この4月で日本に入って20年だということがあります。昔から知っている造り手ですしね。20数年前、最初にナチュラルなワインを飲み始めたときからずっと知っている造り手が、マルセル・ラピエールでありピエール・オヴェルノワであり、このダール・エ・リボなんです。
たしかにエレガントにはなってきていますが、昔から変わらないのもいい。特有な「ダール・エ・リボ香」とでもいうべきものがあるんです。他にはない、薬草のような香りです。
おそらく、除梗をしないので、枝由来の香りなんだと思います。

もはや巨匠といえる存在ですが、マルセル・ラピエールなんかと違うのは、化学的にどうこうというアプローチじゃないんです。お父さんやお爺さんがやっていたやり方を受け継いだというところからスタートしただけ。
そして、亜硫酸を減らすとか入れないとかいう判断も、自然がどうこうというのではなく、ただただ美味しいから。
あらゆることを経験値でやっているように思います。
例えば、醸造の際に除梗をしないということについても、そうするには枝まで完熟しないといけないということを経験的に知っている。
彼はジュール・ショヴェがどうこうとは言わないし、オヴェルノワも存在は知っているけどよく知らないという。

以前、収穫を手伝ったことがあるんですが、本当にスピードが速い。
健全に育てたブドウを極力劣化させないようにしているのがわかります。
フランソワが畑で収穫隊を指揮し、摘み取られたブドウをルネ・ジャンが急いで発酵タンクに入れていく。摘んで30分もたたないうちに、マセラシオン開始するからか、とてつもなくフレッシュなんです。

今回紹介するセ・ル・プランタンは、クローズ・エルミタージュ。そのA.O.C.を名乗るためにはシラーが85%以上、酸を補うための白ブドウとしてルーサンヌまたはマルサンヌを15%以内なら入れても構わないんだけど、ヴィオニエが入っているような気がします。畑に行くと黒ブドウに紛れて白ブドウの木も植わっているんですよ。輸入元の資料によると、シラー100%となっているし、そのあたりどうなっているのかわかりませんね、、、

それで、このキュヴェは91年がファーストヴィンテージ。翌年リリースされたものが
パスカルシェフの元に届き、すぐに開けたんです。飲んだ時に「旨いか?」と尋ねられ、そう思ってもいないのに「美味しいと言ったんです」。すると翌日また開けて、シェフに「旨いか?」と尋ねられました。その時は、本当に美味しかったんです。シェフは勝ち誇ったような顔をしていましたね。
パスカルシェフの家とダール・エ・リボのワイナリーはものすごく離れているとかいうわけではないけど、やはり輸送したてでワインが落ち着いていなかった。大した距離ではなくても、輸送でワインが疲れるものだと実感しました。以来、扱いにはより注意するようになりました。

兎にも角にも、ダール・エ・リボならこれを飲んで欲しいという一本です。

この2006年ヴィンテージは、とても華やかな感じ。
ダール・エ・リボのいい年は、本当に花が開いたような印象を受けるんです。
シラーとは思えない女性的なワイン。
10年経って熟成感も出てきてはいますが、彼らの赤ワインは、まだまだフレッシュさが残っていますね。
特に蔵を新しくした2002年から後のヴィンテージはまだまだ熟成していくと思います。

<価格>
2006年 6,800円

メリメロ

住所
〒100-0000 東京都千代田区飯田橋4丁目5-4
電話番号
03-3263-3239
営業時間
11:30~14:00(L.O.)、18:00~22:30(L.O.)、土曜は12:00~15:00(L.O.)、17:00~22:00(L.O.)
定休日
定休日 日曜
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/sbjctee40000/
公式サイト
http://www.melimelo-web.com/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。