【西麻布】中華の名シェフが開いた『ジーキューブ』のランチがコスパ抜群!ランチコース4400円が超お得

グルメが集まる東京・西麻布。この一角に注目の中華料理店『Ji Cube(ジーキューブ)』がオープンしました。料理長を務めるのは中華の名店『四川飯店』『szechwan restaurant 陳』『ファイヤーホール4000』などで修業した実力派のシェフ。なかでも特筆されるのが、魚・肉料理、蒸し&揚げ点心、メイン、デザートのランチコース。なんと1人4,400円! その驚きのクオリティをご紹介します。

2021年07月08日
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【西麻布】中華の名シェフが開いた『ジーキューブ』のランチがコスパ抜群!ランチコース4400円が超お得

西麻布の住宅街にひっそりと佇む、一軒家チャイニーズ『Ji Cube(ジーキューブ)』

名中華が軒を連ねる西麻布エリアに、また一つ注目の新星が現れた。西麻布交差点から南東方面の路地を入った、閑静な住宅街の一角に佇む『Ji Cube(ジーキューブ)』だ。

▲火鍋専門店『ファイヤーホール4000』の常連さんが住んでいた住宅をリノベーションした店舗


一見住宅にも思える四角い一軒家の玄関を開け、すぐ手前の階段を登るとそのまま個室が3部屋完備された2階にアプローチできる。お忍び利用でも安心の造りだ。

庭の小路を抜けテラス席を横目に進むと、厨房を囲むように設けられた1階のカウンター席にたどり着く。店内は1、2階ともに赤と黒を基調にしたスタイリッシュな雰囲気。テーブルの朱色は四川料理の要とも言える「唐辛子」を吹き付けて色付けしたという。

▲テラス席は予約不可・ランチコースのみ利用可能で愛犬などと一緒に楽しむこともできる


ちなみに『Ji Cube』という中華料理店らしからぬ洒落た店名は、店の立地するエリアがかつて「笄(こうがい)」という地名だったことに由来する。「笄」は中国語で「ジー」と読む。この「ジー」に、店の建物がキューブ型であることからキューブを足し『Ji Cube』という粋な名前がつけられたのだ。

あの中華の名シェフの愛弟子が届ける中華料理とは

こちらの店で腕を振るうのが、25年以上四川料理の道を歩んできた佐々友和さん。熊本県出身の佐々さんが料理の道を志したきっかけは、ホテルのフランス料理店でシェフを務めていた父に「九州で自分の店を開くなら中華料理がいい」とすすめられたことがきっかけだった。

▲『Ji Cube』料理長の佐々友和さん


独学で調理師免許を取得した後は、赤坂の『四川飯店』を皮切りに『szechwan restaurant(スーツァン レストラン)陳 渋谷店』で修業を積み、のちに料理長に就任。その後2017年にオープンした『ファイヤーホール4000』でスーシェフとして、中華の名シェフ・菰田欣也さんを支えたのち、2018年に『ファイヤーホール4000 麻布十番店』の料理長、『4000 Chinese Restaurant』の料理長を務めた。また、第6回中国料理世界大会前菜部門で特金賞受賞(プラチナ)など、多数のコンクールでメダルも獲得している注目のシェフだ。

そんな錚々たる経歴を携えた佐々さんが満を持してオープンした『Ji Cube』。四川料理をメインとしつつも、広東料理や上海料理、北京料理など、旬の食材を使用した中華料理全般を提供している。

「中華料理、とくに四川料理はパンチが効いていて重いイメージがあるかもしれませんが、『Ji Cube』ではコースを一通り食べても食べ疲れない、スッと身体に馴染むような構成を意識しています。料理も四川料理にとらわれず自分が食べたいものをそろえました」とコンセプトを明かす。

とくにランチコースは点心師が手がける点心を盛り込むなど、辛いものが苦手な人でも親しみやすいメニュー展開にした。

魚・肉料理、蒸し&揚げ点心、メイン、デザートのランチコースが1人4,400円!

ランチコースは、肉と魚介で構成された「本日の前菜2種」からスタートする。

この日は鮮やかな緑色のネギソースの上に、キャビアがトッピングされた真っ白なアオリイカを合わせた料理。切り目を細かく入れることで溶けるような口どけに仕上げたアオリイカに、全体としてまろやかな味わいながら、ネギの苦味や生姜の辛さ、そしてあとから山椒のしびれが舌をつくネギソースが初夏らしい味わいだ。

もう一つの前菜としてこの日提供されたのが、牛肉のガーリックソースがけ。薄切りの牛肉にニンニクをきかせゴマを加えた、四川料理の代表的な味付けでもある紅油(ほんゆ)ソースをかけ、わさび菜を添えている。上質な脂がのった薄切りの牛肉はやわらかくしっとりとしていて、紅油ソースは甘辛くタレ焼肉のような印象もあり、山椒もきいていて美味!

点心師が手がける蒸し点心4種と揚げ点心2種

ランチコースの楽しみでもある点心は、地下1階に設けられた工場で点心師が手作り。この日の点心4種盛り合わせ(写真下)は、野菜の蒸し点心、豚とエビのシューマイ、エビ蒸し餃子、フカヒレ入り餃子。

▲点心は『Ji Cube』の地下工場(こうば)で作られ、近所にある『4000』系列の店にも提供されている


ほうれん草を生地に練り込んだ野菜の蒸し点心は、中にニンジンやインゲン、パクチーなどが具沢山に入っていて、点心の八宝菜といった趣。

豚とエビのシューマイは、豚肉を5mm~1cm程度と粗めにミンチすることで、豚肉のうまみが豊かに感じられ、みっちり身が詰まっている印象。エビのプリプリとした食感やトビッコのプチプチとした食感とのコンビネーションも楽しい。

同様にフカヒレ入り餃子のフカヒレも粗めに刻んでおり、フカヒレ本来のうまみが生きていて、シャクシャクとした食感が鮮やかだ。

ピンク色が美しいエビ蒸し餃子も、大ぶりのエビがたっぷりと詰まっていて食べごたえがある。どれも「食材本来の味わいを生かす日本の感性」という同店のモットーを感じられる点心たちだ。

さらに揚げ点心2種と続く。この日は揚げ春巻きと、大根餅。中華定番の揚げ春巻きは片栗粉でとろみをつけた餡ではなく、エビをメインに、大きくカットした黄ニラとアスパラガスを合わせ、ブラックペッパーでアクセントを加えるなど、脂っぽさや重たさがなく、旬食材の味わいが生きた逸品だ。

「やわらかさにこだわった」という大根餅は、冷たい状態から揚げることで辛うじて固形を維持しているといった具合。中はカスタードクリームのようなトロトロ状態で、外はカリッと香ばしく仕上がっており、このコントラストの美しさに笑みが溢れる。

豆乳でコクとクリーミーさをプラスした自慢の坦々麺

締めは「胡麻香るクリーミー坦々麺」と「加藤ポークのワンタンメン」(定期的に変更)の2種からお好みをチョイスできる。四川料理25年以上という佐々さんが手がける坦々麺は、見た目がオレンジがかった朱色のスープで一見辛そうに見えるが、胃の負担にならないよう仕上げている。四川省の唐辛子をメインにしつつも、色出しと香り出し用の唐辛子を併用することで、見た目よりも控えめで爽やかな辛さだ。

さらにスープがくどくならない程度にゴマを使用し、豆乳を加えることでコクとクリーミーさをプラスし、しっかりとゴマやスープが絡むよう太麺を合わせている。アクセントに加えているのが、青菜の芽の部分だけで作られた四川省の漬物・芽菜(ヤーツァイ)を刻んだもの。コリコリとした歯ごたえと発酵感のある酸味や塩味がスープと合わさることで、最後まで飽きることなく坦々麺をいただくことができる。

おもたせにしたいくらい! 紹興酒を使った特製プリンのデザート

デザートのプリンにも嬉しい驚きが隠されている。カラメルソースに紹興酒を使っており、紹興酒を元の量の半分以下になるまで煮詰め、黒糖のような香りを持つ砂糖を使って仕上げている。黒蜜のような甘さにほんのり紹興酒の味わいを感じられる大人なスイーツだ。
現在はイートインでの提供のみだが「今後テイクアウトできるようにしていきたい」という。粋な手土産として喜ばれる日も近そうだ。

酒類は紹興酒だけでなく、南青山『4000』で支配人も務めるソムリエの日暮翔平さんと相談してセレクトしたワインも幅広く取りろろえる。

(※お酒の提供については、現在、国や自治体の要請に準じています)

「意識してないのですが、和食のニュアンスを感じられるお客さんもいます」と佐々さんが言うように、一般的な四川料理のイメージよりも穏やかで、日本の四季を感じられるような食材の持つ力に耳を澄ませた料理がそろう『Ji Cube』。ディナーコースも1万円から提供しており、予約が殺到する前に伺うのをおすすめしたい。

撮影:佐々木雅久

【メニュー】
ランチコース 4,400円

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です。

Ji Cube(ジーキューブ)

住所
〒106-0031 東京都港区西麻布3-18-10
電話番号
03-6434-0076
営業時間
18:00〜22:00
定休日
水曜
公式サイト
https://ji-cube3.studio.site/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。