利き酒師・あおい有紀アナがこっそり教える、割烹レベルの焼鳥とレアな日本酒が味わえる楽園・飯田橋『遊』

唎酒師、一級フードアナリストの資格をもち、大の日本酒好きとして各メディアで活躍中のフリーアナウンサー・あおい有紀が、選りすぐりの和酒のお店を訪れ、お店とお酒、人の魅力に迫る!
# 焼鳥×和酒 遊

2018年08月27日
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利き酒師・あおい有紀アナがこっそり教える、割烹レベルの焼鳥とレアな日本酒が味わえる楽園・飯田橋『遊』
Summary
1.仲良し夫妻が東京・飯田橋の路地裏で営む、焼鳥×こだわり日本酒の店
2.焼鳥は果物と合わせるなど、日本酒とのペアリングが考え抜かれている
3.店主の出身地・栃木県への地元愛が溢れる日本酒と料理のラインナップ

日本酒好きのフリーアナウンサー「あおい有紀」が“和酒”の魅力を発信!

いま空前の和酒ブーム! 日本酒や焼酎、日本ワインなどの“和酒”が楽しめるお店が急増している。けれども本当においしい魅力的なお店は? そのお店のお酒や料理はどう楽しめばいいの?

唎酒師、焼酎唎酒師、一級フードアナリストなどの資格をもち、大のお酒好きとして各メディアで活躍中のフリーアナウンサー、あおい有紀さんが自分の足で探し歩いた「とっておきのお店」を訪れ、選りすぐりのお酒と料理を実際に味わいながらじっくりとその魅力を発信。

今回はこだわり溢れる日本酒の品揃えで、日本酒通が集まる東京・飯田橋の焼鳥専門店『焼鳥×和酒 遊(ゆう)』にうかがった。

路地裏のビル地下にひっそり店を構える焼鳥専門店『遊』

こちらは飯田橋にある焼鳥専門店『遊』。JR中央・総武線の飯田橋駅東口から徒歩で約3分から徒歩で約3分、路地裏の雑居ビルの地下にひっそりと店を構える小さなお店です。一見ではなかなか入りにくいお店ですが、足を踏み入れると小ぢんまりとした居心地のいい空間が広がっています。

木目を生かした、どこかレトロなインテリアが隠れ家の雰囲気を演出。以前はステーキ屋さんだった物件を居抜きで使われているそうです。

カウンターに座ると、ずらりと並ぶ日本酒のボトルにテンションが上がります。カウンターが中心ですが、テーブル席もあるので、グループでも一人でも気軽に訪れることができます。

栃木への「地元愛」が伝わる感動メニューの数々!

私が『遊』と出逢ったきっかけは、とある日本酒の会でオーナーの田上夫妻と同席させていただいたのがご縁でした。フレンチの店と『遊』とのコラボレーションで開催されたイベントや、こちらで開催された日本酒の会にも伺いました。初めて田上さんの焼鳥をいただいた時、そのおいしさに感動したのを覚えています。

オープンは2013年11月。栃木県出身のオーナー・田上裕一さんは日本料理店を皮切りに、赤坂・銀座の焼鳥店で修業され、ご夫婦で独立されました。

実はまったく日本酒が飲めなかったという田上さんに、運命の出逢いが訪れたのは2010年。偶然、栃木にある酒蔵『仙禽(せんきん)』を訪れた際に、『仙禽』の専務と田上さんが、高校の同級生だったことを初めて知ったのです。この再会が田上さんと日本酒とのご縁のスタートでした。

すっかり日本酒に魅せられた田上さん。『遊』では10種類以上揃う「仙禽」をはじめ、栃木県のお酒を中心に、入手困難なものや話題のお酒も含め、幅広い日本酒をラインナップしています。ちなみに、2018年8月現在で、常時40種類ほどのお酒をストックしているそう。

▲店の屋号が入ったプレートは栃木の益子焼の作家さんに特注されたもの

郷土愛に溢れる、創作焼鳥と日本酒のペアリング!

さて、『遊』のお料理とお酒を紹介しましょう。今回は人気の「和酒飲み比べコース」の中から、おすすめのペアリングを抜粋で提案していただきました。

ちなみに、「和酒飲み比べコース」は焼鳥ざんまいのおまかせ料理と和酒飲み放題(一部除く)で4,500円というコストパフォーマンスの高いお料理です。

1品めは、『遊』で「野菜コース」を選ぶと必ず最初に出される「エビベジのサラダ」(写真上)。

「エビベジ」は、栃木県下野市で海老原秀正さんが営む農家『海老原ファーム』のブランド名です。こちらのお野菜は、都内でも限られた有名店が扱われていて、こうした小規模なお店に卸されることは稀だそう。水加減が絶妙でていねいに育てられた「エビベジ」の野菜は、歯触りもパリッとして味が濃く、カブをすりおろして作った自家製ドレッシングとよく合っていました。

合わせたのは栃木県『相良酒造』の「朝日榮(あさひさかえ) 特別純米 火入」(写真上)。キラキラしたみずみずしさがサラダに合い、サラダのドレッシングの酸味やルッコラのほろ苦さに寄り添ってくれます。酸味もあり、野菜のおいしさを生かしつつ、最後のほうでぴったり調和する印象でした。

続いては主役の焼鳥。まずは「レバー」です。山梨産の銘柄鶏「健味どり」の朝締めを使い、プリプリの絶妙な食感に焼き上げ、甘めのたれが絡みます。

じつは私、あまりレバーは得意ではないのですが、こちらの「レバー」は別格。クセがなく柔らかい食感で、とてもおいしくいただきました。

ちなみに、『遊』の焼鳥のたれは田上さんが前の修業先から引き継がれたもの。50年以上継ぎ足しされたもので、甘みとコクがすばらしい!

合わせたのは栃木の有名酒蔵『仙禽』と『遊』が完全オリジナルで設計したというプライベートブランド「ナチュールアミューゼ 2017」。『仙禽』の専務と田上さんのご縁で実現した『遊』だけでしか味わえないスペシャルな日本酒です。当然、こちらの焼鳥に合わないわけはありません!

こちらのお酒は蔵付き酵母のみで仕込んであり、バランスがよく、とろりとした口当たり。レバーと合わせることで、お酒の持つうまみの相乗効果がバツグンです。『遊』に来たら、ぜひ試したい組み合わせです。

こちらは期間限定の逸品「あさの豚のぶどう巻き」(写真上)。ストレスをかけずに飼育した、脂のうまみがクリアなあさの豚のバラ肉に、シャインマスカットを1粒ずつ巻いて、粗挽き黒コショウをふって焼きあげました。ひと口頬張るとマスカットの皮がはじけて、豚肉のコクと果汁が合わさって印象的なおいしさ!

なお、焼鳥に使う炭は、紀州備長炭と外国産の炭の中太をミックスして使用。遠火で燻す感覚で焼き上げます。

こちらの焼鳥には『仙禽』の限定醸造「かぶとむし」を。レモンを搾ったようなフルーティな酸が特徴のさっぱりしたお酒。豚肉のコクとマスカットの甘酸っぱさに、「かぶとむし」を合わせると、さらに立体的な味わいが楽しめます。なお、こちらのお酒は原料米として「ドメーヌ・さくら山田錦」(栃木県さくら市産)を使用しています。

もう1品は「鶏もも肉のジャークチキン」(写真上)。ジャークチキンのスパイスにライムを加えて一昼夜漬け込み、香ばしく焼き上げた焼鳥です。

ビールに合いそうなスパイシーな焼鳥ですが、『若駒酒造』の「ナツコマ」を合わせました。ひと口味わうと、清涼感があり、軽い口当たり。それでいて、低精白のため味わいの奥にビター感と酸味があり、ジャークチキンと合わせると、スパイスとライムの苦み、酸味が口の中ですっきりと交わります。

最後に、フレンチのひと皿を思わせるような私のお気に入りのひと皿をご紹介。それが4月~10月までの限定で提供される「鴨いちじく」(写真上)。

秋田産のバルバリー種の鴨肉と、生のイチジクをひと串にしてじっくりと焼き上げ、10年熟成のバルサミコ酢を煮詰めて添えられています。

合わせたお酒は『仙禽』の「ナチュールキャトル」。味わいにドライイチジクのニュアンスを持つとても個性的なお酒で、エッジの立った酸も印象的。熱を通して甘みが増したイチジクと柔らかな肉質の鴨肉、日本酒のうまみが口の中で合わさって、新たなソースを加えたかのような相乗効果がすばらしいですね。

ご紹介したように、『遊』の焼鳥はただおいしいだけでなく、ソースをアレンジしたり、フルーツなどの食材と合わせるなど、焼鳥というよりは上品な鶏料理をいただいているような感覚になります。以前、『遊』と『仙禽』のコラボレーション会が開催されたのも横浜のフレンチのお店でしたが、フレンチ好きにも喜ばれるのではないかと思います。

そしてもうひとつの魅力が、二人三脚でお店を運営されている田上さんご夫妻のおもてなし。奥様も日本酒にお詳しいので、かなりレベルの高い焼鳥と日本酒とのペアリングが楽しめます。

栃木県に対する地元愛がお酒のラインナップからも、食材からも感じられる『遊』の魅力、お分かりいただけたでしょうか。日本酒通の方だけでなく、初心者の方にもぜひおすすめしたいお店です。

【メニュー】
▼コース
遊のおまかせコース(塩キャベツ、焼鳥6串、ごはん串、鳥スープ) 2,600円
お野菜コース(季節のサラダ、焼鳥4串、野菜2串、ごはん串、鳥スープ) 2,800円
和酒飲み比べコース
スタンダードコース(おまかせコース+和酒(日本酒一部、焼酎、果実酒)飲み放題) 4,500円
プレミアムコース(おまかせコース+和酒(日本酒、焼酎、果実酒)飲み放題) 5,500円 ※お野菜コースは上記にプラス 200円
▼一品料理
厳選炭火焼き鳥 1本324円
季節野菜のサラダ 650円
ごはん串(スープ付) 380円
果実酒のシャーベット 380円


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編集協力:糸田麻里子(フードライター・エディター)
撮影:佐々木雅久

焼鳥×和酒 遊(ゆう)

住所
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋1-9-5 SKBビルB1F
電話番号
03-3221-1344
営業時間
17:00〜23:30(L.O.23:00)
定休日
日・祝、土曜不定休
公式サイト
https://www.facebook.com/yakitoriwashuyu/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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須永久美
ライター